「ペーテル・エトヴェシュの音楽」

ペーテル・エトヴェシュを迎えて

ペーテル・エトヴェシュを迎えて

コンポージアム2014「ペーテル・エトヴェシュを迎えて」のコンサート「ペーテル・エトヴェシュの音楽」を聴きに東京オペラシティへ行ってきました。

ペテール・エトヴェシュは、1944年生まれのハンガリー出身の作曲家/指揮者。コンサートでは、同じハンガリー出身の作曲家、ジョルジュ・リゲティの「メロディーエン」(1971)「サンフランシスコ・ポリフォニー」(1973-74)、そして、エトヴェシュ自身の作品「スピーキング・ドラム」(2012/13)「鷲は音もなく大空を舞い」(2011,2012)「ゼロ・ポインツ」(1999)の3作品、あわせて5作品が演奏されました。

リゲティの作品については、20世紀にリゲティという作曲家がいてよかったなあと改めて感動させられました。旋律の断片が絡み合い、束になった音の塊の中からまた旋律が聴こえてきたりする「メロディーエン」。巨大な濃霧がユニークな町並みを覆い隠して行く光景に感銘を受けたという「サンフランシスコ・ポリフォニー」。両作品共にミクロポリフォニー(リゲティの発明ともいえる書法)による、音響エネルギーが霧のように絶えず形を変え色を変え、幻想的に響き漂う素晴らしい作品でした。

そして、今回の目的であるエトヴェシュ作品。実はこれまであまり聴く機会がなかったので、今回とても楽しみにしていました。ざっくりとした感想ですが、リゲティ程の斬新さや特徴は持ち合わせてはいないようでした。特に「スピーキング・ドラム」「鷲は音もなく大空を舞い」についていえば、ソリストのパフォーマンス等によってつくられた、特徴的なフレーズや音の身振りを素材にし、オーケストラで増幅したり、応答、発展させたりといった感じでしょうか。しかし、指揮者であることからか、オーケストレーションの輝かしい響きは素晴らしかったです。

次は25(日)の武満徹作曲賞の本選会。これからの若手が、どんな作品を書いているのか、とても楽しみです。