美しき歌と竪琴を奏でるオルフェウス。その美しき歌と竪琴は、森の動物たちだけでなく、木々や空の雲までもを魅了し、冥界の番犬や王の心をも鎮めた。
フランツ・リストの交響詩『オルフェウス』(1854)は、1853年末から54年にかけて作曲された。冒頭の美しく幻想的なハープのアルペジオは、まさにオルフェウスが奏でる竪琴の音色を思わせる。そして、オルフェウスの美しき竪琴と歌声にふさわしい美しい旋律が最後まで続く。
このCDは、初演当時の楽器を使って演奏するフランソワ=グザヴィエ・ロト(rançois-Xavier Roth)率いるオーケストラ『レ・シエクル』(Les Siècles)による、フランツ・リスト作品を集めたアルバム。レ・シエクルのピリオド楽器による演奏は、とても明瞭な響き。