BLACKS ルイーズ・ニーヴェルスン | アド・ラインハート | 杉本博司
ルイーズ・ニーヴェルスン(1899-1988)、アド・ラインハート(1913-1967)、杉本博司(1948- )。本展で紹介されるこれら三人の館蔵作家はいずれも、「黒」を作品の重要な要素として、特徴的な作品を制作した芸術家です。ニーヴェルスンは黒く彩色した木で立体物を構築し、ラインハートは黒一色の抽象絵画を描き、そして杉本は白黒で対象を撮りました。その意識的な取り組み方は、作家の全作品に及ぶ徹底した追求と反復として完遂し、ある限定した時期に過渡的な試みとして黒い作品を制作した作家のそれとは一線を画します。本展は、ニーヴェルスンの箱を積み上げた彫刻作品、ラインハートの黒いカンヴァス作品と版画、杉本の《劇場》シリーズを紹介します。世代や出自、作品の技法やスタイルを異にしながら、ともに黒を用いた三者の作品を組み合わせることで、日常の喧噪とはかけ離れた、異質で寡黙な世界を提示します。