寺山修司(1935-1983年)ほどアナーキーで実験的な活動をした創作者はいなかったのではないでしょうか。10代の頃、青森にあってすでに天才歌人の名をほしいままにし、大学入学のため上京し、詩人谷川俊太郎の薦めでラジオドラマを手掛けます。台詞となった寺山の言葉は時代にのって走りだし輝き、ついに「天井棧敷」の活動へと続いていったのです。
本展のタイトル「ノック」は、1975年4月19日、東京阿佐ヶ谷近郊で行なわれた30時間の市街劇のタイトルです。「あなたの平穏無事とは一体何なのか? 」(寺山修司 朝日新聞 1975年5月7日)と地域住民の玄関の扉を突然ノック(ノックに傍点つける)する、というものでした。「驚いた人が110番」(東京タイムズ 1975年4月20日)し、警察が駆けつけたという一幕もありました。本展ではこの市街劇「ノック」の真意を映像や多数の未発表資料などによって詳細に検証します。
また、当時「天井棧敷」が実施した夥しい数の海外公演が高く評価された点にもあらためて注目したいと思います。
1983年、寺山修司は47歳という若さで多くの謎を遺しこの世を去りました。寺山はいったい何を目指し、書を捨て街へ出ていったのか。本展ではその謎を現代の視点から探ります。
『寺山修司展「ノック」』
2013年7月6日(土)〜10月27日(日)
会場:東京都 神宮前 ワタリウム美術館
時間:11:00〜19:00(水曜は21:00まで)
休館日:月曜(7月15日、9月16日、10月14日は開館)
料金:大人1,000円 学生(25歳以下)800円 大人ペア券1,600円 学生ペア券1,200円
※期間中、何度も使えるパスポート制
特別展示
『寺山修司の言葉をリーディングする』
2013年7月6日(土)〜10月27日(日)毎週土、日曜18:00〜
会場:東京都 神宮前 ワタリウム美術館 2階ステージ
企画・構成:萩原朔美