美術家、音楽家である向井山朋子が監修する『Multus』(複数の意)は、照明や映像などの「音以外の要素」によって作られたインスタレーション空間で聴く複数のピアノとピアニストによるコンサート・シリーズ。2012年に始まり、その第1弾はジャン・カルマンとの協働。観客が持ち寄った室内ランプのインスタレーションに囲まれて聴くミニマル・ミュージックは高い評価を得た。第2弾は現代音楽をレパートリーとするピアニストとして著名なゲラルド・バウハウスをオランダから招き、また日本からは浦壁信二、佐藤祐介といった若手実力派2人のピアニストを加え、総勢4名で4手連弾による2台のピアノによるコンサートを行う。今回の作品は<ダンス>のように踊り、波打つ音楽と、観客を取り囲んで上映されるビデオ・インスタレーションとの共演。映像は「オランダフィルムミュージアム」(EYE Film Institute Netherlands)が所有するモノクロの無声映画、ドキュメンタリー映画からの素材を再編集した新作となる。100年近くの時を経て再編集される映像の時間軸と音楽の躍動感が交差する。新しい音楽の聴き方、音楽空間を追及する『Multus』は今後も毎年続いていく。
[プログラム]
イゴール・ストラヴィンスキー作曲《春の祭典―ピアノデュオ》
フランソワ・ベルナード・マシュス作曲《Styx》(日本初演)
エリック・サティ作曲/ジョン・ケージ編曲《ソクラテスー2台ピアノ版》
出演:向井山朋子(ピアニスト・美術家)
ゲラルド・バウハウス(ピアニスト)
浦壁信二(ピアニスト)
佐藤祐介(ピアニスト)
日時:2月1日(土)、2日(日) 世田谷美術館
2月4日(火)京都アートセンター
2月6日(木)イズミティ21(仙台)
詳しくはこちら(向井山朋子 ウェブサイト、
世田谷美術館)