このCDの主役は「火の鳥」(1910年版)のようだけど、バレエ・リュスの「レ・シルフィード」ための、若きストラヴィンスキーによるショパン「夜想曲」「華麗なる大円舞曲」の編曲をはじめ、録音の少ない、様々な編曲を収録した貴重なCD。指揮者のピエール・モントゥの80歳の誕生日に送った「グリーティング・プレリュード」はストラヴィンスキー版ハッピーバースデー!
【収録曲】
1. バレエ音楽「火の鳥」「火の鳥」全曲(1910年版)
2. チャイコフスキー:バレエ音楽「眠りの森の美女」 (抜粋)(編曲:イーゴリ・ストラヴィンスキー)
3. ジャン・シベリウス:カンツォネッタ(編曲:イーゴリ・ストラヴィンスキー)
4. フレデリック・ショパン : 夜想曲第10番 変イ長調(編曲:イーゴリ・ストラヴィンスキー)
5. フレデリック・ショパン : ワルツ第1番 変ホ長調 「華麗なる大円舞曲」(編曲:イーゴリ・ストラヴィンスキー)
6. グリーティング・プレリュード
【演奏】
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団
アンドリュー・リットン(指揮)
SACDハイブリッド盤。録音の素晴らしさも相まってベストセラーを続けるリットンのストラヴィンスキー、最新盤は待望の「火の鳥」と編曲集。SACDの効果を駆使した大編成の1910年版がとてつもないエネルギーで迫ります。ストラヴィンスキーとディアギレフのコラボは、1910年の「火の鳥」に始まると思われがちですが、実はその1年前にショパンの2作品をオーケストレーションする仕事を頼まれています。当アルバムではそれを聴くことができるのが超貴重。ショパンの人気作が極彩色の管弦楽をまとっています。また、チャイコフスキーがピアノ譜のまま残した「青い鳥のパ・ド・ドゥ」を1941年にオーケストレーションしたものも、まさにチャイコフスキーのバレエ音楽の響きで惹きつけられます。意外な珍品はストラヴィンスキーの同時代人シベリウスの弦楽合奏曲「カンツォネッタ」の木管とハープ用に編曲。「グリーティング・プレリュード」はピエール・モントゥ80歳の誕生日に贈ったもので、「ハッピーバースデー」がストラヴィンスキー流に調理されています。ストラヴィンスキーが不協和音と強烈なリズムだけでないことを真に納得させてくれるアルバムと申せましょう。(AmazonのCD紹介文)