静謐な空間に、切り詰められた簡素でゆったりとした、ただ反復する三和音のアルペジオが、プリズムのように暖かく輝きを放つ作品。アルヴォ・ペルトが「西洋音楽の根源への実質上の回帰」を模索し、グレゴリオ聖歌や中世、ルネッサンス期の宗教音楽の研究から確立した、ティンティナブリ様式(ティンティナブリは「鈴の鳴る様」の意)による代表作。
近年、現代作品の多くが、聴き易く単純な音楽作品を求める傾向にあり、それらのパイオニア的作品でもある。しかし、そういった作品が皮相的に陥る事が多い中、選び抜かれた音を聴かせてくれる作品。
アルヴォ・ペルトを初めて聴くという人に「何から聴いたら良いですか?」と聴かれれば、このCDか「タブラ・ラサ」のいずれかを奨めるであろうCD。

1. 鏡の中の鏡(ヴァイオリンとピアノによる)
2. アリーナのために
3. 鏡の中の鏡(チェロとピアノによる)
4. アリーナのために
5. 鏡の中の鏡(ヴァイオリンとピアノによる)

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