エリック・サティの珍しい“管弦楽”作品集。
奇妙なバレエ『本日休演』は、1924年に初演された「二幕の刹那主義的バレエと映画的幕間。そしてフランシス・ピカビアの“犬の尻尾”。音楽=エリック・サティ。舞台装置=ピカビア。映画的幕間=ルネ・クレール。スウェーデン・バレエ団。ジャン・ボルラン振付」である。ディアギレフのバレエ・リュスに対抗したこのナンセンスなバレエには幕間の休憩時間に『幕間』と称するダダ的な映画が上演され、バレエと共にサティが音楽を作曲したが、それがここに収められている音楽だ。
その他も『猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ』、バックグラウンド・ミュージック(BGM)の先駆けである『家具の音楽』。そして一つのフレーズを「840回繰り返すこと」という指示のある『ヴェクサシオン』。と他では中々聴くとこのできない、エリック・サティの作品集となっている。
日本のサティ第一人者、秋山邦晴氏によるライナーノーツ付。
【収録曲】
1. バレエ 《本日休演》 の幕間 “映画” のための音楽 (ルネ・クレール監督のフィルム)
2. (いつも片眼をあけて眠る見事に肥った) 猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ ~ 2本のトランペットのため
家具の音楽
3. 県知事の私室の壁紙
4. 錬鉄の綴れ織り (招待客の到着の際に、大きなレセプションの場合は、玄関ロビーで演奏される)
5. 音のタイル張り舗道 (昼食のときに演奏する)
6. ヴェクサシオン (神秘的なページより抜粋) ~ ピアノ・ソロのための
【演奏】
マリウス・コンスタン(指揮)
アルス・ノヴァ合奏団